1.本校の取り組み
平成19年4月の開校以来、千葉市青葉看護専門学校学則28条の規定に基づき自己評価委員会を設置し、校長を委員長とし教職員の中から校長が指名する委員により取り組みを進めています。評価内容は、学校経営、教育課程・教育活動、入学・卒業対策、学生生活への支援、管理運営・財政、施設整備、教職員の育成、広報、地域との連携等、56項目について全教職員による自己点検評価を毎年実施し、集計結果を基に改善へつなげています。また、平成29年度より外部委員に参画いただき、結果の報告及び次年度の学校運営方針への反映などについて検討し、学校運営の円滑化を図るよう努めています。
2.令和5年度の学校運営評価結果
【評価尺度】 4:良い 3:やや良い 2:やや不十分 1:不十分
3.令和5年度全体のまとめ
- Ⅰ学校経営について 【3.3】(3.3)
- 学校の重点目標は年度ごとに策定し、中間評価、年度末評価を実施している。特徴ある学校作りでは、ブラッシュアップの途中にある。学校の特徴をより明確にできるよう、教職員個々の提案を取り入れる機会が少なかった。
- 各会議または各係の決定事項や情報の伝達方法はさまざまで、把握し辛い事項もある。特に学生の個人情報に関しては、保護の観点からも注意が必要であり、確認に時間差が生じることもあった。
- 教職員は規定款確保できており、令和5年度は長期(10か月)研修の教員が2名であった。その他の研修または学会に参加できたのは18名であった。教育力向上のために継続研修が必要である。
- Ⅱ教育課程・教育活動 【3.2】(3.3)
- 令和5年度は1、2年生が新カリキュラム、3年生は旧カリキュラムで新旧混在している中、スムーズなカリキュラム遂行に努めた。授業内容や方法は教員会議で述べているが、他教員の具体的な方法等の相互理解は不足しているという意見もあった。
新カリキュラムの2年生からは退学者・休学者と未修得単位を持つ学生、合わせて9名出てしまった。新カリキュラムの時間劇の示し方、自己学習の進め方、実習への望み方等学生指導には工夫が必要であった。学生が個々の学習スケジュールを計画的に進められるためにも、年間スケジュールに合わせた詳細の決定を速やかに伝えていく必要がある。また、チューター制を活用し学生の個別指導につなげていく必要があると思えた。 - 卒業時到達目標の達成について3年生の自己評価をもとに分析している。学生は自己評価では自己の成長を実感している。
- 臨地実習は、ほぼ計画通りに進めることができた。臨地実習におけるインシデント・アクシデント報告は17件で昨年より4件減っている。学生の実習記録や物品の忘れ物等に関するものが7件、対象とのかかわりに関するものが10件であった。
- Ⅲ入学・卒業・国試対策 【3.5】(3.6)
- 令和5年度は社会人特別入試を取り入れ、3回入学試験を行った。令和6年度入学生は80名を予定している。入学希望者はやや減少しているように感じるが、 入学試験の倍率は約2倍程度で推移している。
- 令和5年度の学生の退学者は2年生で1名、休学者は全学年で5名であった。(令和6年2月現在)退学及び休学の主な理由は進路再考であった。入学した学生には3年間で卒業・国家資格を取得してもらいたいと考えているが、「自分には無理」「イメージと迷った」という声が聞かれた。
- 国家試験対策は卒業予定の76名全員の合格を目指し、長期休暇中の補習講義や模擬試験を実施したが得点の伸び悩む学生もおり、例年以上に学生の特徴に合わせた指導が必要であった。
- 今年度76名の卒業予定者の95%が市内医療施設から就職内定を得ている。(千葉市病院局には63%内定)今後も市内この看護師供給に努めていく。
- Ⅳ学生生活への支援 【3.3】(3.2)
- 奨学金制度等については、国や県の制度を有効に活用して、幅広く学生の支援を行った。
- 今年度も引き続き、「高等教育の修学支援新制度」の認定を受け、経済的に困難な学生に対する支援を行った。支援を受けた学生は、合計15名で、その内、学費が全額免除となる学生は、7名であった。
- また、千葉県内の医療機関に就職する看護師を増やすための「千葉県保健師等修学資金貸付制度」については、現在、全学生の約6割である146名が活用している。
- なお、就労経験者を対象とした「専門実践教育訓練給付制度」の認定も受けており、11名の学生が活用している。
- 令和4年度卒業生を対象としたホームカミングデーを6月に開催し、45名が参加した。卒業生の動向を把握するとともに同級生や教員との再会により心身のリフレッシュを図ることができた。実習施設からも好評を得ている。
- 就職支援としては、1,2年生を対象とした校内での就職説明会 (21医療機関)を開催し、3年生には個別に小論文対策や模擬面接等の指導を行うことで、全員の進路決定に寄与できた。
- Ⅴ管理運営・財政 【3.4】(3.6)
- 千葉市運営費補助金による資金調達や学生納付金の収入は、ほぼ資金計画どおり確保できている。また、支出についても事業計画に基づき適正に執行している。
- 経年劣化による施設修繕費の増加、原油価格の高騰による光熱費の増加については、予算不足額を他の事業費から流用して対応した。
- 省エネ、節電対策として、12月1日から閉校時間を30分早め、18時とし、職員の退出時間も19時とした。
- 寄附金200万円を受領し、図書室の視聴覚教材 (DVD)の充実を図った。
- 学校防災マニュアルにおいては、風水害時の対応として学生・教職員の居住地の状況にも配慮し、見直しを図った。
- Ⅵ施設設備 【3.5】(3.6)
- 開校して17年を経過する中、経年劣化に伴う修繕について、その費用負担を千葉市と調整を図りながら計画的に実施している。(主な修繕:非常照明器具修繕、屋上防水修繕、連絡通路防水修繕、エントランス自動ドア修繕)
- 空調システム (GHP) の不具合が頻繁に発生しており、適宜対応しているが、その負担額は増加している。
- 看護教材では、生体シミュレータ(SCENARIOシナリオ)を導入し、成人看護学において非常に効果的な学習が行えている。次年度、周産期全身シミュレータ及び呼吸音聴診シミュレータの導入に向けて準備を進めている。
- Ⅶ教職員の育成 【3.0】(3.0)
- 令和5年度の職場内研修会は2件、学習会を1回実施し、ほぼ全員の教員が参加したが、自己評価のポイントは0.2ポイント低下した。個々のニーズに合わないか、現状の問題解決につながらないと考えられる。外部講師からの講義ではなく、自己の教育実践の向上につながる意見交換ができる学習会が効果的ではないかと感じられた。また、希望者のみの参加の学習会を4回/年実施した。この学習会は一部の参加者に留まっている。次年度は全員へ参加を促していく。
- 学会や外部の研修会は11件18名の参加で昨年とほぼ同様。参加できた研修は学内で共有している。
- 教員の研究活動は進んでいない。教育力向上のための自己研鑽、研究につながる課題解決の時間を優先して捻出する意識は低かったと思われる。研修会や学習会から研究に進められる機会を作っていく。
- Ⅷ広報 【3.6】(3.7)
- 高校訪問を4年ぶりに復活し、本校に入学実績のある高校を中心に18枚訪問した。(5月)
- 学校説明会を6月に2回、オープンキャンパスを7月と8月に開催し、合わせて506人(昨年比109%)の集客があった。特にオープンキャンパスでは、看護演習体験及び在校生との座談会を復活させ、非常に好評であった。3月にはキャンパスツアーを企画している。
- 高校の進路ガイダンスに積極的に参加し、29校訪問した。(昨年比132%)
- 学校ホームページのデザインをリニューアルし、6月1日から公開している。特にスマートフォンでの閲覧がしやすいように改善した。学校ホームページへのアクセス数は4月1日から1月31日までで約35,800回(昨年比121%)であった。
- 進学サイト(リクルートスタディサプリ進路)を有効活用し、学校情報、イベント申込み、資料請求等を効率的に行なえた。アクセス数は4月1日から12月31日までで27,900回(昨年比110%)であった。
- Ⅸ地域との連携 【2.7】(2.3)
- 学校祭を10月21日(土)に4年ぶりに開催し、地域住民との交流を図ることができた。
- アリーナについては、市立青葉病院の職員に対し、グラウンドについては、市立青葉病院児童精神科のレクリエーション会場として開放した。
- 学生ボランティア部の活動として、学校周辺のごみ拾いを復活し、6月に実施した。
- 千葉市いきいきプラザにおける健康フェスティバルにボランティアとして学生が参加し、血圧測定等、地域住民との交流を図った。
- 市立海浜病院・千葉県総合救急災害医療センター・美浜消防署の合同災害訓練に模擬患者役として23名の学生が参加した。
- 千葉県看護協会が実施する看護教員養成講習会へ講師として教員1名を派遣した。
4.自己評価に対する外部委員の意見・質問
外部委員 | 学 校 |
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Ⅴ管理運営・財政
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Ⅱ教育課程・教育活動
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Ⅱ教育課程・教育活動
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Ⅸ地域との連携
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5.自己評価委員会に関する規程
(趣旨)
第1条 この規程は、千葉市青葉看護専門学校学則第28条の規定に基づき、自己評価委員会(以下「委員会」という。)に関し必要な事項を定めるものとする。
(構成及び業務)
第2条 委員会は、校長を委員長とし、教職員の中から校長が指名する委員並びに学校外有識者の外部委員により構成する。
2 委員の任期は原則3年とする。
3 委員会は、自己評価の企画立案、分析及び進行管理並びに学校運営評価の最終評価を行う。
4 委員会は、委員長が必要と認めるときに開催する。
(自己評価の種類と定義)
第3条 自己評価は、学校運営評価及び授業評価とする。
2 学校運営評価は、教育機関としての機能を包括的に判定する評価とする。
3 授業評価は、学生による教育方法及び内容の評価並びに教員による自己の教育方法及び内容の評価とする。
(学校運営評価)
第4条 学校運営評価の評価内容は、次の各号に掲げるものとする。
(1)学校経営
(2)教育課程・教育活動
(3)入学・卒業対策
(4)学生生活への支援
(5)管理運営・財政
(6)施設設備
(7)教職員の育成
(8)広報
(9)地域との連携
(10)その他
2 評価の実施は、毎年度末までに行う。
3 評価は全教職員が行い、行った評価を参考にして、委員会が最終評価を行う。
4 最終評価の結果は、学校ホームページ等により公表する。
(学生による授業評価)
第5条 学生による授業評価の評価内容は、次の各号に掲げるものとする。
(1)担当教員(非常勤講師を含む)の授業の進め方、授業内容の質等
(2)学生自身の授業への取組姿勢
2 学生による授業評価の実施は、別に定めるところによる。
3 学生による授業評価は、授業を受けた学生が行う。
(教員による自己評価)
第6条 教員による自己評価の評価内容は、次の各号に掲げるものとする。
(1)授業の準備及び授業の実施結果等
(2)学生による授業評価の結果を踏まえた授業内容等の振り返り
2 教員による自己評価の実施は、別に定めるところによる。
3 教員による自己評価は、授業を行った教員が行う。
(委任)
第7条 この規程に定めるもののほか、この規程の施行に関し必要な事項は、校長が別に定める。
附 則
この規程は、平成19年4月1日から施行する。
この規程は、平成29年8月1日から施行する。
6.自己評価委員会
令和6年度千葉市青葉看護専門学校自己表会員名簿
令和6年4月1日現在
氏 名 | 現 職 | 備 考 |
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長谷川 美穂 | 公益社団法人 千葉県看護協会 常任理事 | |
串間 琢郎 | 千葉市保健福祉局医療衛生部医療政策課 課長 | |
日暮 奈緒美 | 千葉市立青葉病院 看護部長 | |
松川 菜穂美 | 千葉市立海浜病院 看護部長 | |
五味 靖 | 千葉市青葉看護専門学校 非常勤講師 | |
菅原 玉枝 | 千葉市青葉看護専門学校 校長 | 委員長 |
村岡 明美 | 千葉市青葉看護専門学校 副校長 | |
髙橋 なおみ | 千葉市青葉看護専門学校 事務長 | |
稲葉 宏 | 千葉市青葉看護専門学校 事務長補佐 |